2005年03月22日

和訓栞大綱(166)

○羅什大般涅槃経悉談章中國品を見れハ五十音とも悉談章也 [あいうえを]ハ〓〓〓〓嗚也 [かきくけこ]ハ迦鶏倶計〓也 さしすせそは遮支朱制げた也 [たちつてと]は〓知〓啼嘲也 [なにぬねの]ハ那〓奴泥〓也 [はひふへほ]ハ波〓哺閇報也 [まみむめも]は摩麋模謎〓也 [やいゆえよ]は耶移喩〓曜也 [らりるれろ]ハ羅利盧戻〓也 [わゐうゑお]ハ和〓吁〓〓也 此皆牙歯舌喉唇の音なり よて吉備公音韻の學に長しられしをもて和語を勘辨し五十音に定められしと見えたり 和韻五十字ハ此中國品より略出せしといふ事此書は藏外傳來の本也といふは常州月山寺邦敬の悉談章に見えたり
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和訓栞大綱(165)

○古史通に上古の語言のまゝに猶今も傳ハれるハ歌詞と地名とのニツ也 歌詞のこときハ後の撰述の者改め作る事を得かたき事あり 地名に至てハ異朝の歴代州縣郡國其沿同しからさるか如くにハあらす こゝをもて今によりて古を考ふるに自ら其徴とするに足れるものありといへり
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和訓栞大綱(164)

○佛経は呉音儒道兩典は漢音云々此事本朝語園には延暦帝の制のよしいへり されと延暦の官符の文に須各依本業疏讀法華金光二部漢音及訓と見えたれは信するに足らす
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和訓栞大綱(163)

○朝鮮の諺文はて和音五十字を彼國の人書たるを見しにイヰともに〓に作りエヱ通して〓に作りヲオ皆〓に作りたり されハ悉曇にても〓〓〓《エヲ》の三音に單複有のみにて呉音ハなし 諺文にも〓〓〓ともに一字つゝなれハヰヱオ三音は五十字に准し副《ツケ》し成ヘし 悉曇家の舊音にはワの音あれとも新音にハワの音なく〓の音のみなるをや
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和訓栞大綱(162)

○譲ハ[ゆつる]を[せむる]と訓し結を解とし浮を沈むとし面ふを背くとし荒るを定まると云 臭しと香はしと云ひ 饗を祥ひとし 逆を迎ふと訓し 従ふと追ふとよまし 亂を治まると讀の類 是を倒語訓と云り
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和訓栞大綱(161)

○假名反に倒反あり神漏伎神呂美の如き是也 伎は[ひこ]の倒反 美は[ひめ]の倒反とす [こひ]反[き] [めひ]反[み]也 西土にも此例ありし事は世説に見えたり 又二重反あり 故を[かるかゆゑ]と讀か如キ是也 [るか]反[ら] [ゆゑ]反[え]にて [らえ]反[れ] [れ]ハ[かれ]となる 日本紀には故を[かれ]と讀り
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和訓栞大綱(160)

○我邦の書史漢字を假用るに和語は主漢字は客なれば或は字義を借て和語を通し或は類字を取て義を借らす或は好字を借て和語を修し或は漢字を假て人名を修したる事一例ならすといへり
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和訓栞大綱(159)

○今の唐音は南京の音をもて天下の正音とす 南京は古へ呉の地なりしかと本大國にて世々を経て其土の繁華なる天下無雙にして人物風流此地に過る事なし 此時に至りては古の荊蠻の風俗易り盡て彬々たる君子の郷となれり 俗既に文雅なれば語音もまた從て正き事は何れの國も皆然り 然れとも明の代に至て其土音頓に改りてかく正しくなりたるにはあらす 秦漢以來漸をもて致す所にして實は南方の風気の然らしむる所也といへり 西川氏も十五省ともに南京の詞をもて本とし詩をうたふにも此國の音律をもて則とす 日本にて平安京の詞をもて法とするか如し また日本にて讀來れる字韻南京同音のもの多しといへり
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和訓栞大綱(158)

○漢音正辨に漢音ハ中原の音古ヘの雅音なれハ韻書の擇ふ所純一にして異なきもの也 唐音ハ彼土郷語の音にして南北方土の音不同なる者也 故に字彙にも讀韻須漢音若任郷語便致差錯といへり台家傳ふる所の例時懺法聲明集の中の漢音純轉のものにして今の漢音と音を異にするは半百餘字のみ 此例時懺法等の音は慈覺大師中華より傳へたまふはかりならす 吾傳教大師の所學を承習するもめは大學寮に參し漢音を讀習へと一心戒文に見えたれハ 往昔大學寮にて讀たる遺音なる事知ぬへし 今俗儒の所謂漢音のこときは唯三韓の音を雑ふるのみならす 其傳を失ひ何の節奏もなくなりたるもの也 是をもて今の漢音は全く和讀として中華に此音なしといふは謬れり 今もハら唐音といふは吾國より中華に使せし事六朝にもありといへとも唐の代に當り 殊に頻々たりしをもて也 もとより漢に在てハ漢音 唐に在ては唐音 宋に在てハ宋音なれは 漢音唐音は一也とすへけれと 唐音といふは通俗の音也 されハ老學菴も語音之正取之中原 中原惟洛陽然四方豈不正哉 中就其多分耳といへは中華の語音ともに雅俗ある率も知ぬへし されハ吾大師上表の文にも最澄未學唐韻赤暗譯語 忽入異域 恐煩述緒竊見沙彌義眞少壮聰悟頗渉経論早習漢語粗知唐話天恩差義眞爲求法ノ譯語と見ゆ 漢音といひ唐話といふ雅俗の別ち也 吾宗保元以來頻に干戈を経て本式を失ひ纔かに例時作法法華懺法及聲明集等漢音をもて誦習へり そか中に今俗間にいふ所の漢音と其音を異にするもの一二を抄出するに勝乗稱昇並に志の音をもて呼 億臆並に[いく]の音をもて呼 白色を[はいせき]と呼 衣食を[しいしき]と呼か如き見つへし 又雲云の字並に[いん]の音也 洪武正韻に二字竃も眞韻とす 員ノ字呉員胥の員を音雲と注し行人子員の員を音云と注するより[いん]の音に呼へり 是員に在ては[いん]の音を存し雲云に在ては[いん]の音を失ふ也 又芻を音初と注し[沈]を音澄と注し振を音正と注するか如きは並に宋音にして俗音也 又勝稱の字唐音にハ[しん][いん]と呼り 又國字もて漢字を音するは拗音を雅とし直音を俗とす 延文中梓行の法華懺法なとの國字正しく恐共[くゐよう]出[しゐつ]恵[けゑい]月[ぐゑつ]とあり 源氏平家の如き[ぐゑんじ][ふえいくゑ]ハ雅也 [げんし][へいけ]ハ俗也 天竺の彦底多聲は語音の雅也 蘇漫多聲は語音の俗也 又鶴林玉露に載す硯を[松蘇利必]筆を[分直]墨を[蘇彌]頭を[加是羅]手を[提]の類ハ並に漢音にして唐音にあらす 松を〓 直を[値]に作り 看れハ[す]と[て]との音生す 康煕字典に〓息中ノ切音松と見ゆ 南山の行事鈔の中に畏難を古來[いだい]とよめり 〓奴鶏音泥とあれハ難にも[たい]の音あるへくや 同文通考に漢音ハ是彼國そのかみ中原の正音にして大學寮にて教へし音也 唐音は近代に及ひ取用うる事多しと云るハ信に信すへし畢竟は漢ノ正音漢ノ俗音呉音和音の四音の分ちありと知へし 漢ノ正音は古への漢音純轉の者也 漢ノ俗音ハ郷語の音今の唐音是也 呉音は江左の音也 和音は國音所謂呉音に近き者也と見えたり
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2005年03月21日

和訓栞大綱(157)

○漢音呉音ともに今の唐音といふものと大に同しからす今いふ所の如きは倭の漢音呉音にしてまた西土の漢音呉音にはあらす されは其始め儒典梵書ともに韓國を歴て我邦に傳へたれは韓音倭音相混して今の音とハなれる成べし 聲音もとより風土の然らしむるものなれば自ら變せさる事を得べからず 韵學私言にも應神ノ朝韓國献経史貢博士而邦人即能通之既有文字則必當有副字之音 以國俗習疂音之語而不v請混成之音乃雑用華韓之音 以呼華字單音以録國語耳 今所行呉音蓋是也と見えたり
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和訓栞大綱(156)

○打聞集に問 唐音は漢音なりや 唐音と漢音其異ありや 答 實は二ツ也 今世人倭音によりて呉音の外は漢音と覺えり 凡そ呉漢唐宋の四音の異あり 白色二字の如き呉音にハ[ひやくしき]といぴ唐音にハ[はきせき]といひ漢音にハ[はくしよく]といひ宋音にハ[はせ]といふ。阿彌陀三字の如きは呉音には[あみだ]といび漢音唐音にハ[あびた]といひ宋音には[おぴと]といふ 諸の字此に准へて知へきよし見えたり 此集は仁和寺の経藏にあり 書體を詳にするに藤原清輔の作なるへしといへり 和尚を天台にハ[くわしやう]とよみ眞言には[わしやう]とよみ禪家には[をしやう]と唱へ律宗には[わじやう]と唱ふるも右の訣ある故にや 〓州音には今[へいしゆん]と呼りとそ 又達磨を東寺にハ[たらま]とよみ山門にハ[だるま]といふ漢音ならハ[だつま]とこそいふへけれ[たらま]とも[たるま]ともよむ事は梵語の習ひありて實には東寺の傳も[だらま]といふへきを此國にてはきゝよからぬ故に清てよみ來れるは故實成へしともいへり 今に至りては明より清を経て世も移り北京南京大に異にして我に近き福州〓州の音も雑れは其唐音と稱するもとより一定すヘきにあらすかし
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和訓栞大綱(155)

○漢音は長安の音 呉音は江左の音なるへし そのゆゑは我邦の西土と使人往來せし始めは後漢書三國史等に見えて 垂仁景行神功の御代にあたれり 況んや後漢倭傳に自武帝滅朝鮮使驛通於漢者二十許國國々皆稱主といへるは國造縣主なとの私に通せしもの かく多かりしと見えたれは此時既に漢音は熟すへけれと我國史にはこれを載せす その國史に見えたるは應神紀を始めとして呉と書せりことに書を讀しもまた此時に始まれば諸の舊記にまつ呉音を傳へしさまにはいへる成べし 呉はもとも吾方に近き國なれはその音もまた習ひ易かるへし されと應神三十七年に記させられたれは晋に併せたる後なれと西朝には達せさるにや 猶三國の時の遺名によりて呉とはいへる成へし 此後雄略天皇の御代呉と往來せし事見えたり 是は南宋の時にてもとより朝廷に達せし事詳かに宋書に見えたり 宋は東晋の禪を受て江東に都せしかはまた舊によりて呉とはいへる成へし 此後推古の御代に隋に聘せられしを日本紀に大唐と書るは隋はほとなく唐に禪り唐家久しく治りてめてたき國號なれは後よりかくは書させられぬる成へし 此後孝徳天智の御宇に至りて禮樂制度多くは唐に擬せられたれは音もまた改まらすんはあるヘからす その上呉もと南方荊蠻の國邊土の音なれは刊誤にも呉民之言如病〓風而禁ともいひ 馬伯庸も四方偏氣之語不相通暁惟中原漢音四方可以通行といへれは もはら漢音を習ハしめられたると見えたり 前漢は長安に都し後漢は洛陽に都し隋唐ともに長安の都なれは是を漢音といひ中原の正音とはする也
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和訓栞大綱(154)

○悉曇三密鈔に初ノ金禮信來留對馬島 傳呉音舉國學之固名曰對馬音次表信公來筑ノ博多 傳漢音是曰唐音と見え 悉曇藏にも金禮信表信公を舉て我日本元傳二音と見えたり されといかなる書に出ていつれの代にあり いつくの人なりしやらん いまた詳ならす 對馬貢銀記には欽明天皇之代佛法始渡吾土 此島有一比丘尼以呉音傳之と見え 政事要略に大織冠鎌足執政ノ時百濟ノ禪尼法明來于對馬島呉音誦維摩経因呉音曰對馬讀乃呉音之源起也といへり 聲音對に呉人來在應神天皇崩年與尼相隔三百餘年其取始失考也といへれと貢銀記に日域の経論皆用此音故謂之對馬音とあれは尼ハ佛経に呉音を用ゐし始成へし 松下氏の説に菟道ノ雅郎子《ワカイラツコ》師王仁習諸ノ典籍是漢音之始也といへるは心得かたし 王仁の名さへ古事記には和邇と出したれは此時の音ハ呉音なること知ヘし よて古書の音讀日用の俗語多くは呉音なりき されは宋の石林送順空偈にも自作呉音唱月彎といへり 王仁ハ百済の人にて其國もまた呉に近けれハさもありぬへし 漢音は推古天皇の御代遣唐使以後の事なるへし 音博士大唐續守言薩弘恪に物を賜ひしこと持統紀に見えて儒釋ともに漢音を習はしめられし事後の國史に見えたり 洛の東寺の経藏に納る所の大政官符に應讀佛教経、呉音儒道兩典漢音醫書随文便二音交雑といふ事ある書に見えたれは正史には出ざれども世にいひ傳へし證とすへきにや 韵學私言にも及中葉定令式使讀儒典以漢音讀佛籍以呉音道書醫卜之記呉漢雜行承傳至今不之改矣といへり 今眞言の理趣経バかり漢音によめり所以ある事にや
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和訓栞大綱(153)

○鴨は平聲なるに鴨川といふ時は上聲 鴨社といふ時は去聲也 つゞきによりて同語も聲のかはる事あり されは古事記に豐雲野神の雲の下に上とあり 雲は本音平聲なるを雲野とつゞく故に上聲となれり 餘も此に傚ひて知へし 固より本音の儘なるハ附たる例なし 音の變る所にては注す 平去の變にて上聲となるは多くて上聲の平去に變するは稀也 よて平去を註すへき所ハ自らなかるらしといへり
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和訓栞大綱(152)

○我邦に入聲のなきゆゑハもと単音の國にて韻律を主とせす よて西土の音にていへは此方の語は総て入聲の如し 今の唐音にても唯入聲のみ此方の一音の如くにして餘の三聲の類に異れり されは此方の音にていはんに彼國の入聲にも平上去の差別ハありて三聲の内にこもれハ別に入聲は無るへしといへり
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和訓栞大綱(151)

○私記に〓土煮尊沙土土尊に就て問此二神御名煮同字也 何故有變聲之讀哉 答是據古事記上煮字讀上聲下煮字讀去聲其由雖未詳如此之神名皆以上古口傳所注置也と見えたり 古事記中に此去聲唯一ありにハ土にて本音去聲なるを比地邇とつゞくをもて上聲となれハ上とあるハ他の例に同し 去ハ本音なれハ附る例にあらされと上の上聲とならひて忽音の變るをもて成へし
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和訓栞大綱(150)

○日本紀の印本に字の四週に圏點せる者は和語の四聲也 されと全備ならす訛謬も又多し 古事記にはそのまゝ上の字去の字なとを句中に注せり 但入聲ハ見えす 又引字を注せるハ梵書に見えて長呼の例也 [はし]と云詞に橋ハ平聲によひ 端ハ上聲によひ 箸ハ去聲によふ也 [たけ]といふ詞に長竹嵩なとのしなあり [いる]と云に入と熬と[くも]と云に雲と蜘との別ありて音の軽重自ら判然たり よて兎裘賦の自註に龜緒使龜山也 猶如龜尾讀之といひ 和名鈔に簟を上聲之重 菊を俗云本音之重と注せり 凡て早生の口語此類多し されと皆また言に隨て其事を聞識ハ音の妙なるへし 韻学私言に本邦之語猶華域之音今呼[柿]曰[葛幾] 則雙深曰渇起則雙淺惧無高低而平聲也 呼[垣]曰[葛起] 則先深後淺而如上聲 呼[蠣]曰[渇幾]則先淺後深而如去聲又如上下二字各上去兩聲互異其義而與國語 自相符[上]曰[渇彌]下曰[失麼]則上爲去聲下爲上上乃指在高在卑之詞也 [上]曰[遏〓]下曰[沙〓]則上爲上聲下下去去乃升之降降之義也と見えたり



【参考】

岡島昭浩「元禄時代に於ける字音M尾N尾の発見――中村、斎の「韻学私言」――」

『文献探究』(文献探究の会)第18号(昭和61年9月)p2936



金田一春彦『国語アクセントの史的研究―原理と方法』(昭和四九年) 239頁

佐藤寛「本朝四聲考」(国学院『国文論纂』明治三六年)
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和訓栞大綱(149)

○其意同しく其事異に其名同しく其物異なるか如きあり されと此等の類は我國の假字をもて書るしぬれハ其字ハ同しけれとも これを呼には其聲の平上去入其音の清濁輕重によりて各自ら相分れて同しからす 唯其始め此を轉して彼とやなしぬらん かれを轉して之れとやなしぬらん 今においてハ知へからすといへり
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和訓栞大綱(148)

○讀書口語ともに漢呉は勿論 清濁も音便の宜しきに從ふへし 假令は儒道佛道のときは道の字濁音也 神道の時は道の字清音也 名分等分なといふは分ノ字濁音也 幾銭幾分と呼には一分より九分にいたり 清音半濁を用う 寸尺に至ては[ぷ]と呼か如き是也 一書に唐音は必無逼連聲變聲ともいへり
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和訓栞大綱(147)

○古事記日本紀等の古書多くハ呉音を用られたり されとも明経の徒僧尼の輩に漢音を習ハしめられたること續日本紀以下に見えたり 世に儒典は漢音を用ゐ梵書は呉音を用うといへるハ心得かたし 唯音便によりて唱へ來れる故實あれハ讀書の時ハ漢音を用ゐ談話の時に呉音を用うといふもまた然らす たとへは五音は[ごゐん]ととなへ呉音は[ごおん]と唱ふるは天下の通語也 漢音梵音なとのはぬる字の下にありてハおのつから[のん]となり 舌音七音なとのつまる字の下にありてはおのづから[とん]となるは[おん]の同韻の轉聲也 はぬる字の下にても南音轉音なとの時はおのつから[にん]となり つまる字の下にても八音納音なとの時はおのづから[ちん]となるは[ゐん]の同韻の相通也 されは概して一例をもて断しかたき 是にて辨へ知らるへきにこそ
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