2005年04月19日

西田直養『筱舎漫筆』巻五「古本の点」

ある古写本を見たりしに、主上の御事を上と申奉る処に、上の字の傍に一と点をつけたり。こはうへと上声に申奉るべきしるし也。一の点のなきをば一にて、すべて平声にてよめとの事なり。かゝる事こそ皇国の第一とすべきことなれ。因にいふ。漢文にては、闕字にすることもつぱらなれど、皇国にては、和文といふものに、闕字にしたることなし。それを近世漢風にならひ、和文体にもいはまくもかしこかれど天皇の云々と、文字をあけたるあるはわろし。又序跋などに、年号を本文にはなしてかき、又姓名を別にかくことなきことなり。漢文にも、彼土にてかゝぬごとくぞ。いつのころよりかくかきしにや。
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西田直養『筱舎漫筆』巻五「闕字弁」
Excerpt: 屋代翁の説に、皇国にては文書に闕字の例なし。近来漢文にならひて、闕字にするは和学者の杜撰なり。また文書の末に、序跋などに年号をかき名をかくに、別にはなしてかくこと古例なし。古今集の序を始として、代々の..
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