2005年03月28日

『物類称呼』巻五「言語」「呵らるる」

○[呵らるゝ]といふ事を長崎にて[○がらるゝ]と云 薩摩にて[○がらりうばあ]と云【是は[しかられん]なり】

肥後にて[○をぐる]と云 房総辺にて[○をださるゝ]と云 尾州より遠州辺[○をめる]と云 是を[汗面]と書時は音語のやうに聞ゆれ共[をめる]は和語なり 又〔江塚次第〕ニをめるといふは劣たる事にあたる歟 又畿内にて[ひかる]と云は[しかる]なり 如此の類かそへかたし 尾州知多郡にては[ひとつ][ふたつ]と云を〔ふとつ〕〔ひたつ〕とかぞへて、[ひ]と、[ふ]との相違あり下野にても[ひ]と[ふ]と、あちらこちらに云在所有 尾州北在所にて馬を〔イマ〕と云 又今を〔ムマ〕と云 是もおなし詞也 但〔日本紀〕ニ今ヲ〔ムマ〕馬を〔イマ〕とよませたる所見え侍れは笑ふべき詞にはあらざるか 又安房の国にてはカキクケコの牙音をアイウヱヲにつかふ たとへば〔百《ひゃう》〕〔二百《にひゃう》〕なと云如き也 上総の東房州境辺是に同し すべて東国にて〔見えぬ〕〔しらぬ〕なと云[ぬ]の字を延《のべ》て〔見えない〕〔しらない〕といふ「ナイの反《かへし》「ヌなれば是も則「ぬの字の拗音と見るべし 歌にも松も昔の友ならなくにとは[友ならぬに]と云「ぬの字をのべたる物歟 その外此例をゝし





和訓栞大綱(96)

「上総の國の南の方の人は[かきくけこ]を得いはて皆[わゐうゑお]に轉す 百六を[ひやうろう]と唱へ百二百を[ひやう][二ひやう]といふうにあたりて聞ゆ 房州も同し」
posted by 国語学者 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 方言史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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