2005年03月12日

唐音《たうゐん》(斎藤彦麻呂『傍廂』前編)

皇朝にて、改め直されたる漢音《かんをん》を、もとより外戎より伝へし韻《いん》なりと思ふは非なり。大学論語など、タイカク、リンギョとよむは漢音なり。ダイガク、ロンゴとよむは呉音なり。共に皇朝改正《くわうてうかいせい》の音なり。近き頃。加藤一周《かとういつしう》来りて語りけらく、安永九年五月、南京船《なんきんせん》安房国《あはのくに》千倉浜《ちくらのはま》に漂着のときに、江戸より藍田東亀年《あゐたとうきねん》といふ人行きて、唐人《たうじん》鄭岱《ていたい》といふ人に清音《しんおん》をとひしに、こたへて大《ダイ》学《ポツ》之《チ》道《ダウ》在《ザイ》明《ミン》明《ミン》徳《タイ》在《ザイ》新《チン》民《ミイン》在《ザイ》止《チイ》於《ヲヽ》至《チユイ》善《ゼヱン》云々といひしよし、游房筆話《いうばうひつわ》に見えたりとかたれり。我はいまだその筆話を見ず。一周《いつしう》はをさなき頃より我門弟なり。


随筆大成旧3-1
古事類苑 文学部 第二十七 外国語学
posted by 国語学者 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 字音資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/2842593
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。