2005年02月26日

〔伊豆母廼美多麻初編序〕

あなうれたし、大日本の國には、元より字てふものなくして、漢土より伝へしより、其字をもてなに事も足らはせしなどおもふ人多かるは、くらきよりくらきに入ときごとにして、あげつらふにたらず、しかるにこたび伊豆母之美多麻てふ書を見るに、出雲大神大己貴命の伝へ給ひし五十連音の圖あなもじ三種の国字を得、そがをしへにもとづきて、言霊の幸はふまゝにかきとむる字の用格の古事を極めたる、いともたふときふみにぞありける、実にもこのときごとは丹靈【〇川北丹靈】があつき志によりてなれりし草案を、芬木うし【〇芬木元達】がまめなる心をもてかうがへ定めて、一たびかみつ世に埋れしことをおもひ、千とせの後、又埋れむことをおそれ、かく桜木にのせて、世にひろむるも、ことみたまの恩頼になも、かくばかりふるの中道たどたどしく、外國々のことのはぐさの茂る世に、この言霊の林の、神世も今も千萬の後も、かはらず、春霞かすみととみに繁りかをらむことのうれしさに、見るところを一言書そふるのみ

  文久二とせの霜月              松平源信幹誌



古事類苑 文学部二音韻 五十音)


posted by 国語学者 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 字音資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。