2005年12月04日

富士谷御杖『北辺随筆』詞の延約

○詞の延約
先達の注書に、詞の延約ふたつをいはれたり。たとはゞ、「かへらふは、かへるを延べたるなり。「けらくは、けるを延べたるなりなどいふ、これなり。【此反、「かへるは、「かへらふ」の約、「けるは、「けらく」の約なりとの心なるべけれど、「らふ」、「らく」などは、別に義ある詞なれば、延約をもていふまじき事なり。くはしくはこゝにいはず。】歌はおほかた、もじの数もさだまれる物なるが故に、やごとなくのべつヾめたるなども、たま/\はあるべけれど、延約も、なほ皆義ある事なるを、おもふまゝに延約をもてとかば、詞の大旨をうしなふべし。反切なども、やごとなき法あるを、しひてもとめば、必しひごといでくべきぞかし。しひごとも、かれこそしひごとしつれと、人にあざけられむは、たゞおのれひとりがうへなればさてありぬべし。後学をまどはする罪、さりがたかるべきをや。
posted by 国語学者 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 学史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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