2005年12月04日

富士谷御杖『北辺随筆』詞の緩急

○詞の緩急
おほよそ、「これを、こといひ、「それを、そといひ、「たれを、たといひ、「かれを、かといふたぐひ猶多し。「これといふは、事がらの緩きなり。こといふは、急なるなり。みな緩急のたがひめなり。たとはゞ、万葉集巻三に、「如聞《キキシゴト》、真貴久《マコトタフトク》、奇母《アヤシクモ》、神左備居賀《カムサビヲルカ》、許礼能水島《コレノミヅシマ》。とよめる歌、「許礼能は、「許能に同じとのみ心えては全からず。真淵ぬしが注書どもに、「これはといふべき所をも、すべて、「こはとのみかゝれたり。そが中には、かなへりとみゆる所もあれど、緩くてあるべき所も多し。大家の詞には、よに酔ふ人おほきぞかし。おほよそ、急なるとは思慮計較を用ふべきいとまなき事をいふ。緩はこれが反なり。すべて、緩をいふは、急の別なり。急をいふは、緩の別にて、たがひにてらして、緩急を示すなりとしるべし。よくおもひわくべき事なり。
posted by 国語学者 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 学史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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